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3.122022
令和4年度都立入試の理科について
令和4年度入試が終わりました。今年度の理科の問題は、完答選択問題や並べ替えによる出題がなく、化学反応式を書かせる問題と作図以外は全て選択問題となり、昨年に比べて易化しました。
出題された試験問題および模範解答はこちらをご覧ください。
出題分析
1⃣の小問集合は炭素と酸素の性質・心臓のつくり・光の屈折・前線面・電流と基本的な問題でした。電流の問題では直列・並列融合回路でしたが、計算問題ではなかっため、知識で解ける問題でした。
2⃣の小問集合ではレポートを読んで考察する問題に見えますが、日食・蒸留・光合成・月での質量と重さの違いなど一つ一つの問題ごとに言葉の意味がきちんと理解できていればそれほど難しい問題ではありませんでした。
3⃣は岩石と地層について、堆積岩と火成岩の違いや示準化石の組み合わせ、また柱状図の比較が出題されました。柱状図の見方については立体的な考え方が必要な部分ですので図を見ただけで回答することが困難な問題です。
4⃣は遺伝の規則性が出題されました。基本的な名称を答えさせる問題から遺伝の組み合わせによって親の代を問われる問題でしたので、実験の結果と考察がきちんと読み取れればそれほど難しい問題ではありませんでした。
5⃣はイオンの電気分解・中和が出題されましたが、新学習指導要領で新しく追加された内容の実験でしたので、過去問で演習したことがない実験で少し難しく感じた人が多いかもしれません。しかし、計算分野がなかった分、イオンの単元の割には基本的な部分が多かったようです。
6⃣は物体の運動に関する実験が出題されました。小球の平均の速さの計算から斜面上の重力からの作図、運動エネルギーの大きさの関係を問われる問題でした。一度は見たことのある問題で運動とエネルギーで出題される典型的なものでした。
出題予想と結果
今年のベスト自修館による理科の予想は驚くほど的中しました。例年に比べて問題は簡単ではありましたが、生徒の自己採点の最高点は96点でした。昨年はコロナの影響があって、出題範囲が削られたため、今年の予想も予想どおりになるかが心配でした。今年度の出題予想は昨年9月の特設ゼミの理社の入試戦略講座で発表しました。
3⃣では地層でボーリングの柱状図の読み取りの図の書き方、4⃣は遺伝の組み換えと生殖細胞、5⃣はイオンのダニエル電池、6⃣では物体の運動の速さの計算と斜面上で働く力の作図、と全ての大問で予想が的中しました。しかも、前々日に最終盤として取り組んだこれだけは押さえておきたい、という問題の中でも同じ問題が何題か出題されていました。唯一の心残りは、1⃣の小問集合の電流の問題で直列回路と並列回路の融合問題についてです。ここまでは出題されないであろう、と踏んでいた問題だったので、これは来年度に生かしていかなければならない反省点です。自己採点の際に「理科すごい当たってた!」との声をたくさんの生徒から聞けたことがとても良かったです。