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大規模な「太陽フレア」が起きるとどうなる?

太陽の表面で起こるこの爆発現象「太陽フレア」によって、携帯電話や防災無線が2週間ほど使えなくなる恐れがある、といった最悪の被害想定を総務省が2022.04.26に公表しました。これは100年に1回の頻度で起きるとされる大規模な「太陽フレア」が2週間続いた場合の最悪な被害想定です。太陽は11年で活発化するという活動の周期があり、次のピークは2025年頃だと言われています。ですが、いつ起きるかの予測はできません。

「太陽フレア」って何?

そもそもこの「太陽フレア」とは一体何のことでしょう。

地球から太陽までの距離は、約1億5000万kmとかなり遠い場所に位置しているため、地上から太陽を見ても、ただ輝いているようにしか見えません。しかし近づいてみると、大規模な爆発があちこちで起こっているのです。この爆発が火炎(フレア)のように見えることから、「太陽フレア」と呼ばれています。爆発の大きさは、1~10万kmといわれ、生じるエネルギーは、水素爆弾が10万〜1億個並みとなっています。 この「太陽フレア」は、黒点付近でよく生じることがデータで確認されています。太陽の表面温度は6000℃で、黒点とは周りの温度に比べて4000℃と低い温度の部分を指します。この黒点部分は強力な磁力が発生しており、磁力線が集まることでガスの運動を妨げ、温度が低くなっていると考えられています。何らかの作用で磁場が乱れると、エネルギーが一気に周囲に伝わっていきます。そのため黒点付近で爆発が起きるとされているのです。ちなみに小規模なものも含めると、黒点付近で「太陽フレア」はほぼ毎日のように発生しています。その都度電磁波やプラズマが飛び出していて、宇宙空間を移動して2~3日後には地球付近にも到達しているのです。

「太陽フレア」によっておこる様々な影響

大規模な「太陽フレア」によって携帯電話や防災無線が使えなくなる、といった影響の他にも人工衛星に不具合が生じ、天気予報やGPSの精度が大幅に低下し、位置情報には最大数十メートルのずれが生じるともいわれています。その結果、航空機の欠航や今後、車の自動運転やドローンの利用などが広まれば、交通や物流にも大きな影響が出る恐れもあります。また、送電設備への影響で広域停電が発生すると全産業にも影響がでると想定されています。スマホやGPSが普及している現代社会において、太陽フレアの被害による損失は、今後大きくなる可能性が十分に考えられます。

個人の備えはどうすべきか?

今やほとんどの人がスマホを携帯して日常生活を送っている中、個人のリスク管理はどう行っておくべきでしょうか。2週間スマホが使えない、停電状態を想像してみてください。日常的に何気なく行っている様々な状況に不便が生じることは容易に想像できるでしょう。インターネット検索ができない、SNSが見られない、ラインで連絡ができない、ゲームができないetc…スマホの利用状況は人それぞれなので、一度、自分が何にスマホを利用しているのかを書き出してみるとよいでしょう。また、電気が使えないことは、日常生活に一番大きな支障をきたすことでしょう。オール電化の場合、ほとんど何もできません。大規模地震が起きた時の想定同様、とりあえず非常食は最低でも2週間分用意しておくべきでしょう。

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