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高校入試のための小学生英語

小学校の英語指導

小学校学習指導要領(平成29年告示) によると小学校での英語学習の目標は以下の3つの能力を育成することです。

(1)外国語を通して,言語や文化について体験的に理解を深め,日本語と外国語との音声の違い等に気付くとともに,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しむようにする。(2)身近で簡単な事柄について,外国語で聞いたり話したりして自分の考えや気持ちなどを伝え合う力の素地を養う。(3)外国語を通して,言語やその背景にある文化に対する理解を深め,相手に配慮しながら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。

いずれの項目にも「読む」「書く」の内容はありません。そのために保護者の皆様から見て「小学3年生から英語やってるはずなのに、簡単な単語も読み書きできない」という状況が生まれます。

一方で長年塾で教えている立場からすると耳で触れている単語数は確実に増加しています。例えば「サーズディって何曜日?」という質問に答えられる小学生は確実に増えていますし、初めての文法単元を学んだ時にも「聞いたことあるかもしれない」という生徒が多くなっています。

小学校英語と中学校英語の違い

「小学生の時は英語が楽しくて得意科目だと言っていたのに、中学進学後は嫌いだと言っていて、テストの点数も良くない」というのが、中学英語についての典型的なお悩みです。

理由は単純に「小学校英語と中学校英語は求められることが違う」からです。

小学校英語で求められているのは、グループ内での英語対話に主体的に参加することや、英語を使った様々な活動に積極的な参加をしているかという点です。

それに対して中学校の英語では筆記による定期試験が成績評価の中心になります。市内中学校の定期試験では、最初の大問でリスニングを実施し、そのあとは記述式の問題という形式が多くなっています。記述問題では、当然ながらスペルミスは減点の対象になりますので単語を書く練習をしていない中学生の得点は低くなっていきます。記述問題に正解できないと80点以上を取ることは難しくなり、その結果学校成績は3以下、という状況になっていきます。

都立高校一般入試の英語の得点割合

都立高校一般入試の換算総合得点1020点のうち、英語に関わるものは以下の通りです。

  • 英語の内申点 23.1点(学校成績5)
  • 一般入試のリスニング 28点(換算前の満点20点、うち選択問題16点・記述問題4点)
  • 一般入試のライティング(英作文) 16.8点(換算前の満点12点)
  • 一般入試の長文読解による選択問題 95.2点(換算前の満点68点)
  • ESAT-J(スピーキングテスト) 20点

内申点、ライティング、長文読解の小数点部分は切り捨てです。

上記の通り都立高校入試の観点で言えば長文読解力のアップに全力投球するのが王道と言えるでしょう。共通問題最上位の武蔵野北、小金井北などを目指す生徒であっても、選択問題をすべて正解して84点を獲得できれば十分に合格圏内です。

ベストの小学生英語は?

以上をふまえ、当塾の小学生集団指導の英語は高校入試に向けた無学年2年制のカリキュラムで行っています。小学校の英語に合わせた授業ではありません。

小学校以外で英語学習をしたことのない小学5年生と6年生のお子様は、語群整序問題を中心とした問題集を使って中1相当の文法を学習します。記号選択問題が一切ないテキストを使用し、特にbe動詞と一般動詞の使い分けに学習時間を多く割いています。また英単語テストを毎授業で実施して、動詞と名詞を中心に約200単語を書くことができるように学習していきます。

当塾で1年学習したお子様や、他塾で英語を受講したことがあるお子様、英検5級相当の学力のお子様は、易しい中1用のテキストを使用して1年間学習します。中学生用のテキストを使用しますので、空所補充問題や指示に従って書き換える問題などにも取り組んでいきます。また、英単語学習では年間で600語を学習していきます。小学校の英語では約600語を授業で扱いますが、それらの書き取りテストはありません。一方で中学校の教科書は小学校で約600単語が学習済みであるという前提で進みます。当塾ではそれらの単語をきちんと書くことができるように授業を行っています。

終わりに:受講開始は夏まで

小学校以外で英語学習をしていないお子様の集団指導英語の受講受付は、夏期講習までとしております。理由としては3月に始まる年間カリキュラムを受講したお子様との差が大きくなってしまい、英語が嫌いになってしまう可能性が高いからです。夏期講習では3月~7月の内容の総復習を行いますので、夏期講習まではお申込みいただけます。

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